札幌市で家を売るときに知っておきたい情報
2025年04月08日
札幌市で家を売るときに知っておきたい情報
亡くなった親から受け継いだ「札幌市の家を売るべきか、それとも残すべきか」。固定資産税や修繕費がじわじわ家計を圧迫し、夜ふとんの中でため息が出る――そんなお悩みを抱える方へ向けた総合ガイドです。ここでは相場から手続き、費用までを一気に整理し、疑問が浮かんでも読み進めるうちに解決できる流れにしました。
売却相場と市場動向
札幌市の売却市場は季節や金利の影響を受けやすく、数字が動くたびに不安も動きます。まずは各地区の土地相場を知り、焦らず「売るか残すか」を判断しましょう。
札幌市全体の最新価格推移
直近一年における札幌市の地価公示について、住宅地は 2.9%上昇(前年は8.4%上昇)、商業地は 6.0%上昇(前年は10.3%上昇)となりました。上昇率は前年よりも落ち着いた数字となっています。
地価公示は、地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示するもので、社会・経済活動についての制度インフラとなっています。
主な役割として、以下のとおり
・一般の土地の取引に対して指標を与えること
・不動産鑑定の規準となること
・公共事業用地の取得価格算定の規準となること
・土地の相続評価および固定資産税評価についての基準となること
・国土利用計画法による土地の価格審査の規準となること 等
※参考
リンク先 国土交通省ホームページ「地価公示」
エリア別の価格目安
交通網や商業施設が集中している地区では、ほかの地区と比べて坪単価が高くなっています。以下は、札幌市の区ごとに土地の平均坪単価を算出しましたので参考としてください。(4月8日調べ アットホーム掲載物件より)
・札幌市中央区:33.82万円/坪(229件)※括弧内は掲載物件数を表しています。
・札幌市北区:22.68万円/坪(985件)
・札幌市東区:32.90万円/坪(535件)
・札幌市白石区:14.12万円/坪(444件)
・札幌市豊平区:38.93万円/坪(356件)
・札幌市南区:11.44万円/坪(485件)
・札幌市西区:34.42万円/坪(572件)
・札幌市厚別区:33.44万円/坪(237件)
・札幌市手稲区:19.02万円/坪(474件)
・札幌市清田区:23.96万円/坪(310件)
物件種別の相場比較
冬の除雪を考えるとマンションは需要が高く、成約までの期間が短めです。一方、家族層には庭でバーベキューしたりなど戸建てが人気となっていますが、築40年など築年数の経過により建物の経年劣化が価格を押し下げやすい反面、土地として評価される比率が高いので、自分の持っている土地の価格が査定価格の大部分として出ます。
売却の流れとスケジュール
「何から始めれば?」と迷う方のために、スタートから引き渡し後までを整理します。
事前準備と情報収集
まずは登記簿謄本で名義と抵当権を確認し、固定資産税納税通知書で課税標準額をチェックしましょう。合わせて札幌市内の物件を検索し、相場感をつかむと良いでしょう。ここで「家を売るか賃貸に回すか」と迷った場合は、収支シミュレーションを作成すると判断材料が増えます。
媒介契約から広告開始まで
不動産会社と媒介契約を結ぶ際は「専属専任」「専任」「一般」の違いを理解することが大切です。札幌市で実績が多い会社なら広告ネットワークが広く、問い合わせ件数が伸びやすい傾向にあります。契約後は室内写真撮影や間取り図作成が始まるので、不要品を片付けて第一印象を高めておきましょう。
内覧・交渉・契約締結
内覧では「雪かきの負担はどのくらい?」と聞かれることもありますので、除雪業者や近隣協力体制を説明できると好印象です。価格交渉では「査定額からいくら下げるか」だけでなく、「引き渡し時期」「設備の残置」を交渉して総合条件で合意を目指すと納得感が高まります。
引き渡しとアフター手続き
契約締結後は引き渡し日までに抵当権抹消登記や公共料金の精算を済ませます。引き渡し後に「固定資産税清算金を忘れていた!」と慌てないよう、司法書士とチェックリストを共有しましょう。

価格査定の方法とポイント
査定は「数字をもらうだけ」と思われがちですが、提示額の根拠を理解するほど交渉力が上がります。
机上査定と訪問査定の違い
机上査定は周辺データから算出するためスピード重視ですが、リフォーム状況や眺望など個別要素が反映されにくい弱点があります。訪問査定は担当者が現地を見て細部を評価するため、価格が上下に振れやすいものの、売る戦略を練る材料が豊富に得られます。
査定額を高めるチェックポイント
水回りの劣化は買主が気にしやすい部分です。軽い補修でも「安心して住める」という印象を与えれば査定額が数十万円上乗せされることもあります。また、外壁のコーキング補修や屋根の雪止め金具点検を済ませておくと、維持管理をきちんとしてきた住宅と思われ良い評価を得ます。
オンライン査定ツールの活用法
札幌市対応のオンライン査定サイトはいくつかありますが、入力した情報により複数社から一斉にメールが届きます。複数の不動産会社に査定してもらうことで自宅の価格がより正確にわかります。提示額と提案内容を並べて比較するとメリットが見えやすくなります。
物件タイプ別の売り方
同じ「売る」でも物件タイプで戦略が変わります。
マンションを売るときの注意点
管理規約にペット可否や修繕積立金値上げ予定があると、買主の質問が集中します。事前に理事会議事録を用意し、「情報開示がスムーズな売主」と印象づけると交渉が進みやすいです。また、共有部分の大規模修繕予定が近い場合は負担割合を説明し、値引き理由にされないよう備えましょう。
戸建てを売るときの注意点
戸建ては敷地境界の明示が重要です。隣地とフェンス位置が曖昧だと測量費用を負担する可能性があります。冬季内覧では屋根の雪庇や凍結防止策を示し、北海道特有の心配を先回りして解消すると安心感が高まります。
土地を売るときの注意点
土地売却では上下水道や都市ガスの引き込み状況が価格を左右します。札幌市の場合、前面道路が私道か公道かで負担金が変わるため、役所で調査済みかを示すと信頼度が上がります。

費用と税金の基礎知識
いくら手元に残るか確認しておきましょう。
仲介手数料や諸費用の内訳
仲介手数料は成約価格の3%+6万円が上限です。ほかに印紙代、登記費用、測量費、残置物処分費などが発生します。諸費用総額は売却価格の7%前後を見込むと大きなズレを防げます。
譲渡所得税と節税対策
所有期間が5年超なら長期譲渡所得税率が適用され、税率が下がります。さらに相続で取得した家を売る場合、「相続空き家の特別控除」で最大3000万円の特別控除が使える可能性があります。申告期限は翌年3月15日までなので、税理士への早めの相談が安心です。
必要な書類と手続き
登記識別情報、固定資産税評価証明書、身分証明書などが基本セットです。売買契約前に揃えておくと、買主から「準備が早い売主」と評価され、契約日程を先延ばしにされにくくなります。
売却を成功させるコツ
高値で早く売るためのヒントをまとめます。
ベストな売却タイミング
札幌市の転勤シーズンである2~3月は内覧数が増えるため、12月までに広告を出すと波に乗りやすいです。雪解け後は現地確認がしやすいので、庭付き戸建ては4~5月の成約率が増えていくでしょう。
適切な価格設定
査定額の上限でスタートすると見学者が少なくなる場合があります。初期設定は相場+2%程度に留め、しばらく反響がない場合は1%ずつ調整していと「値下げ幅が小さいまま」売却できる確率が上がります。
効果的な広告と内覧準備
室内をホテルのロビーのように整理し、照明を暖色にするだけで写真映えが向上します。内覧時はカーテンを開け、札幌市の澄んだ光を取り込むと印象がアップします。

売却理由別の手続き
理由によって必要書類や手順が変わるため、ポイントを押さえましょう。
相続で家を売る場合
相続登記が未了だと売買契約が締結できません。遺産分割協議書を作成し、法務局で相続登記を済ませることで売却手続きが可能になります。
住み替え・買い替えの場合
住宅ローン残高がある場合、売却代金で完済できるかがカギです。買い替えローンを利用すると金利負担が増えるため、売却と購入の決済日を近づけ、二重ローン期間を短縮しましょう。
離婚やローン返済困難など特別な事情
急いで現金化したいときは買取サービスを検討します。仲介より価格は下がりますが最短で決済でき、近隣に知られず売却できるメリットがあります。
よくある質問
本記事を読むと、疑問が出てくるような質問についてここで解決しましょう。
売却期間はどのくらい?
平均は3~6か月ですが、価格設定と季節要因で差が出ます。早期成約を狙うなら、広告開始から1か月以内の反響を最重視しましょう。
事前にしておくと良い準備は?
遺産分割協議、境界確認、設備保証書の保管などが挙げられます。準備が整っている家は「安心して買える」と判断されやすいです。

相談窓口とサポートツール
ひとりで悩まず使える支援策をまとめました。
無料相談の活用方法
不動産会社や相談窓口があれば、媒介契約や査定のこと、仲介手数料のことを教えてもらえます。
市場データ確認サービス
国土交通省の取引価格情報検索を使うと、実際に売れた金額を把握できます。数字を自分の目で確かめると、不動産会社の提案が妥当か判断しやすくなります。
※参考
まとめ
ここまで読めば、札幌市で家を売る手順と費用の全体像が見えてきたはずです。「売るか残すか」で揺れているなら、まずは無料査定で数字を確かめ、心のモヤモヤを具体的な計画に変えてみましょう。
※参考
リンク先 当ホームページ「不動産の用語集」