石狩市の空き家売却|相場・手続き・税金等

2025年03月02日

空き家売却の基礎知識

ここでは、空き家を売却する前に理解しておきたい基本的なポイントを解説します。石狩市や北海道内の不動産事情を踏まえながら、メリットやリスク、タイミングの見極め方を整理します。

空き家を売却するメリットとリスク

空き家を売却することで得られる最大のメリットは、固定資産税や光熱費などの維持費負担が軽減できる点です。特に、北海道石狩市のような雪が多い地域では、定期的な除雪や換気を行わないと建物の劣化が進むおそれがあります。

 

長期間放置したままだと、修繕費用がかさむだけでなく、近隣住民への影響も懸念されるため、価値が下がりきる前に売却することが得策です。ただし、空き家を売買するときには、売却価格が思ったほど伸びない可能性もあります。

 

相場や物件の状況によっては、売るより賃貸にしたほうがよい場合も考えられます。一方で、売却後にまとまった資金が得られると、新たな住まいや別の投資にまわすなど、柔軟な資金活用がしやすくなります。

 

空き家の面積や建物の状態、そして今後の生活設計などを総合的に考慮して決めるのがポイントといえます。

空き家を放置するリスクと罰金の可能性

空き家を長年放置すると、建物の老朽化が進み倒壊や破損のリスクが高まります。雪の重みで屋根が傷むことや、庭の草が伸び放題になるなどの問題は、近隣とのトラブルにつながるおそれもあります。

 

また、自治体によっては危険な状態の空き家に行政指導が入り、勧告や命令を受けるケースがあるのです。もしも命令を無視して対応しなかった場合には、過料が科される可能性があります。

 

石狩市でも空き家に関する条例や地域特有の取り組みが進められており、放置し続けることによるデメリットは大きいといえます。このように、空き家には固定資産税をはじめとする維持費用だけでなく、管理を怠ったことで発生するリスクが潜んでいるので、売却や解体などの対策を早めに検討するのがおすすめです。

石狩市の空き家事情と売却のタイミング

北海道の中でも石狩市は自然環境が豊かでありながら、札幌市に近い立地が魅力です。そのため、空き家とはいえ一定の需要が見込める場合があります。売るタイミングによっては成約までに時間がかかるケースもあるので念頭に置いてください。

 

売却の時期は、年度の切り替わりや転勤などが増える春先や秋口が動きやすいといわれますが、一戸建てやマンションの条件次第では通年で売買のチャンスがあるでしょう。

税制優遇・特例制度について

空き家の売買では、税金面をきちんと押さえることが必要です。特に相続した物件の場合、特別控除が適用できるケースもあります。ここでは主な特例や必要手続きを見ていきましょう。

3,000万円特別控除(相続空き家特例)の概要

相続によって取得した家を売却する際、一定の要件を満たすと3,000万円の特別控除を受けられる制度があります。具体的には、昭和56年5月31日以前に確認申請を受けた建物で、被相続人が一人で住んでいた住宅であること、そして耐震性などの条件を満たしていること等が必要になります。

 

この控除が適用されれば、大きな節税効果が期待できるため、相続物件を売却するときには該当するかどうかを調べましょう。相続した不動産がこの制度を適用できるか確認したい場合は税務署や税理士にご相談ください。

適用要件と申請手続きのポイント

相続空き家特例を利用するためには、売却前に解体やリフォームを行って耐震基準をクリアしたり、いくつかの書類を整える必要があります。具体的な申請手続きとしては、建物が一定の要件を満たしていることを証明する書面や、相続発生の時期がわかる資料などを税務署に提出する流れです。

 

要件を満たしていれば通常の譲渡所得税よりも大幅に負担が下がるので、単に高い価格で売るかどうかだけでなく、トータルの手元資金を増やせるかが大切になります。

 

空き家の築年数が古い物件も多いので、耐震改修費がかかるかどうかを売却前に確認してください。難しいことが多いようであれば、不動産会社が無料で相談に対応してくれるケースもあるため、わからないときは専門家に問い合わせるとスムーズです。

空き家売却の流れと手続き

ここからは、実際に空き家を売却する際の手続きや基本的な流れを説明します。最初の査定依頼から契約締結までのステップを理解しておけば、トラブルを避けてスムーズに対応できるでしょう。

査定依頼と価格設定の方法

初めに不動産会社へ査定を依頼し、物件の相場や適正な売却価格を見極めます。査定は無料で行っている会社が多いため、まずは複数の業者に連絡して比較することが大切です。査定では、土地の面積や一戸建ての状態、築年数などを総合的に考慮した価格が提示されます。

 

たとえば、石狩市内でもエリアによって評価が変わる可能性があります。価格を高めに設定すると売買まで時間がかかるかもしれませんが、逆に安くしすぎると損になるリスクもあります。

 

できるだけ早く売りたいなら、相場を参考に売りやすい価格帯に設定し、高く売りたいなら少し余裕をもたせるなど、目的に応じて微調整するのがおすすめです。

媒介契約の種類と選び方

売却の依頼を出す際には、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には、一般媒介、専任媒介、そして専属専任媒介の3種類があり、それぞれ特性が異なるのが特徴です。

 

一般媒介は複数の会社に同時に依頼できるため、幅広い宣伝が期待できますが、営業担当との連絡が分散しやすいという側面もあります。一方、専任媒介や専属専任媒介では、一社に任せる形になるので情報管理がスムーズになり、売却活動の対応が比較的丁寧になります。

 

ただし、不動産会社がしっかり積極的に動いてくれるかどうかを見極める必要があります。石狩市の空き家を早期に成約させたい方は、熱心に販売活動してくれるか会社の対応を判断し、小まめにやり取りができる契約形態を選ぶと安心です。

内覧・交渉・契約締結までのステップ

媒介契約を結んだ後は、売却物件の広告や案内がスタートします。興味をもった買主が現れたら、実際に一戸建てやマンションの内覧を行う流れです。

 

内覧時には、建物内の掃除と整理整頓をしっかり行い、残置物がある場合は見えにくい場所にまとめるなど、第一印象を良くする工夫がポイントになります。

 

買主が価格や引き渡し条件について交渉してくることもあるので、売り手側としては譲れるラインと譲れないラインを明確にしておくとスムーズです。条件が合意に至ったら、売買契約を締結し、手付金を受領します。

 

その後、決済と同時に物件の引き渡しを行い、土地や建物の所有権移転手続きを完了します。契約に関する書類は法的に重要なので、慎重に確認しましょう。

解体や残置物処分・境界明示の注意点

築年数がかなり経過している空き家の場合、売却前に解体を検討する方もいます。老朽化が著しい場合は、更地にすることで買い手が付きやすくなる可能性もありますが解体費用も負担となります。

 

逆に、建物に大きな傷みがない場合は、リフォーム不要の状態で売ったほうがトータルの出費を抑えられます。また、残置物処分については契約内容を明記しておかないと、後々トラブルになることがあります。さらに、土地の境界明示が不十分だと、買主からクレームが出るリスクがあるので注意が必要です。

買取と仲介の違い

次に、空き家を「買取」にするか「仲介」にするかで迷っている方に向けて、それぞれのメリットやデメリット、売却価格を高めるためのコツをお伝えします。

それぞれのメリット・デメリット

買取は、不動産会社や買取専門業者が直接買主となる仕組みです。成約までのスピードが早く、確実に売れるというメリットがある一方で、相場よりも低めの価格になりやすいデメリットがあります。

 

仲介では、市場に出して買主を募るため、うまくいけば高く売れる可能性があるのが魅力です。ただし、いつどのような条件で売れるかが不透明なので、売買成立までに時間がかかる場合も少なくありません。

 

石狩市の空き家を「できるだけ早く処分したい」というなら買取を検討し、「価格を優先したい」というなら仲介を選ぶ、といった切り分けが一般的です。

高く売るためのコツと注意点

空き家を仲介で売る場合は、内覧時の印象が鍵を握ります。部屋の掃除や不要物の撤去はもちろん、日当たりや風通しがよいことを強調できるように、カーテンを開けておくなどの工夫も大切です。

 

また、築年数が古い一戸建てやマンションでも、最低限の修繕を行うだけで売却価格がアップするケースがあります。たとえば、クロスの張り替えや水回りのクリーニングといった軽微なリフォームであれば、コストを抑えながら物件の印象を改善できます。

 

ただし、大規模なリフォームに乗り出すと費用がかさんでしまうため、投資分と価格上昇のバランスをよく考えましょう。さらに、売り出しの時期を見計らうことも重要です。冬は雪により庭の様子がわからないこともあり、春から秋にかけて売買が動いていきますので、地域の需要を見極めて売り出すことで高い成約を狙いやすくなります。

空き家売却にかかる費用と税金

空き家を売却するときに発生する費用や、得た利益に課される税金は見落としがちです。ここでは、仲介手数料や税金の計算方法などをまとめます。

仲介手数料や諸経費の内訳

仲介で売却する場合に発生する代表的なコストは、不動産会社へ支払う仲介手数料です。これは成約した売買価格に応じて、法律で上限が定められています。また、物件の状況によっては、測量費用や境界確定費用が別途かかる可能性があります。

 

解体を選択した場合は、その費用も予算に含めておく必要があります。石狩市の場合、解体にかかるコストは建物の構造や面積で大きく異なるため、早めの見積もりが望ましいです。

 

さらに、売却を知らせる広告を出す際の宣伝費は通常仲介手数料に含まれています。契約を結ぶ前に諸経費をしっかり把握し、見積りをとっておくことが重要です。

売却益に対する税金と節税対策

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、所得税や住民税がかかります。この譲渡所得は「売却価格 −(取得費+譲渡費用)」で計算され、所有年数によって税率が異なるのがポイントです。5年を超えて所有していた場合は長期譲渡所得となり、税率が低めになります。

 

相続で引き継いだ物件でも、被相続人が取得してからの年数を通算するため、築年数や購入時期を正確に確認しましょう。また、3,000万円特別控除(相続空き家特例)などを活用できれば、税金を大幅に抑えられます。

 

手続きを誤ると優遇措置を受けられなくなることがあるため、不安な点があれば税務署や税理士に相談してしっかり確認してください。

相続物件売却時の注意点

相続物件を売る際には、相続登記や遺産分割協議がきちんと済んでいることが大前提です。相続人同士で意見がまとまっていない状況だと、売買契約がスムーズに進まないばかりか、トラブルの原因になりかねません。

 

もし複数の親族が関わっているなら、売却する理由や価格、手続きの流れをしっかり共有しておくことが大切です。また、石狩市にある空き家の名義を変更していないケースも多いですが、名義が異なると買主にとってリスクが大きく感じられますので、早めに変更しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

空き家売却に関して寄せられる疑問や不安に答えます。石狩市ならではの事情に触れながら、トラブル回避のヒントをお伝えします。

リフォームや修繕は必要?

必ずしもリフォームや修繕が必要とは限りません。築年数が新しく、まだ十分に住める状態であれば、現状渡しで売却しても大丈夫です。ただし、キッチンやバスルームといった水回りが古い場合、軽いリフォームをしておいたほうが高い価格で買い手がつくこともあります。

 

資金や労力との兼ね合いを見ながら、どの程度の修繕が妥当かを不動産会社と相談して決めるとよいでしょう。石狩市では、冬季に雪が多いため屋根や外壁のダメージが大きい場合があります。

 

そのまま放置すると建物の印象が悪くなり、値引き交渉される恐れがあるので、気になる箇所は最小限でも手を入れておくと安心です。

周囲に知られずに売却する方法

隣近所や知人に知られずに空き家を売るには、「水面下での買取」や「広告掲載なしの仲介」が考えられます。広告を出さずに特定の買主や業者だけに情報を開示し、条件が合えばそのまま成約するという流れです。ただし、宣伝を大々的に行わない分、相場よりも価格が下がることもあるので注意しましょう。

 

周囲に売却の事実が知られたくない理由がある場合には、事情を正直に伝え、広告活動の範囲を制限してもらうよう依頼するとスムーズです。

残置物や家財はどう処分すればいい?

長年空き家だった物件の場合、家財道具がそのまま残っているケースが多いです。処分の方法としては、遺品整理業者に一括で依頼する、自治体の粗大ごみ回収を利用するなどが挙げられます。

 

契約段階で「残置物は売主で処分する」と定めるのか、「買主にそのまま引き渡す」のかを明確にしておくことが大切です。

売却までの期間やスケジュール

売却開始から成約までの期間は、一般的に3か月から半年程度が目安とされています。しかし、土地や建物の条件、年数、地域の需給バランスなどによって変動します。

 

石狩市は札幌市へのアクセスが良いとはいえ、積雪の多いシーズンは内覧数が伸びにくい傾向もあるため、売り出すタイミングを検討するときは気象条件も考慮に入れたほうがよいでしょう。

 

早く現金化したい場合は買取を選ぶ、あるいは価格を下げて売りやすくするなどの調整が必要になるかもしれません。手続き上の事務作業としては、媒介契約、内覧、売買契約、決済という順で進むので、余裕をもったスケジュールを立てておくことがおすすめです。

石狩市の地域情報と不動産相場

石狩市内の主なエリアや不動産相場について大まかに紹介し、価格設定時のヒントを提供します。地域特性を理解していると、売却活動の方向性を決めやすくなるでしょう。

石狩市の主なエリア・行政情報

石狩市は広大な土地を有し、中心部からやや離れたエリアでは農地も多いのが特徴です。市役所がある地域周辺は比較的人口が集中しており、市街地化が進んでいます。一方、海沿いのエリアは漁業が盛んで、海産物の加工業や関連する仕事が多いと言われています。

 

行政としても空き家対策や移住促進に力を入れており、相談窓口や無料セミナーを開催するなどの取り組みが行われています。石狩市独自の支援制度が設けられている場合もあるので、最新情報を自治体のホームページなどでチェックしてみるとよいでしょう。

一戸建て・土地・マンションの相場

一戸建ての相場は、築年数や建物の構造、さらには土地の広さによって変動が大きいです。石狩市内では、比較的古い建物が多いエリアでは価格帯が低めに推移している傾向があります。石狩市役所から半径約1kmのアットホームに掲載されている売り戸建て20件の平均データは、価格「約1,688万円」、土地「約82坪」、建物面積「約38坪」となっています。(データは令和7年3月2日調べ)

 

一方、再開発が進んでいる地区では、マンションの需要が増え、相場が上昇するケースも少なくありません。土地を売る場合には、周辺の用途地域や道路付けの状況、面積によって価値が大きく左右されます。石狩市役所から半径約1kmのアットホームに掲載されている売りマンションが1件ですが、価格「1,080万円」、専有面積「約19坪」となっています。(データは令和7年3月2日調べ)

 

近年では、家庭菜園やセカンドハウスを目的に郊外の土地を探す買主もいるため、条件次第で思わぬ高値がつくこともあります。売却前に必ず複数社で査定を取り、どの価格帯が適切なのかを慎重に見極めましょう。

地域特性を踏まえた価格設定のポイント

石狩市では、冬季の積雪量や寒さが売却活動にも影響を与えるので、内覧のタイミングや売り出し時期を考慮することが大切です。雪の多い時期に土地を見学する場合、敷地の大部分が雪に埋もれているため、面積の把握や建物の外観チェックが十分にできない可能性があります。

 

このような地域特性を踏まえて、売買活動を進めることで、買主とのコミュニケーションもスムーズになるでしょう。また、札幌市までの通勤アクセスが良好なエリアや、生活インフラが整っている区画は需要が高まる傾向にあり、価格設定もやや強気にできる場合があります。

 

逆に、バス路線が少ないエリアや冬季に交通が不便になる地域では、少し柔軟な価格調整が必要です。

無料相談・お問い合わせについて

空き家売却は、初めて取り組むとわからないことが多く発生しがちです。専門家へ相談するメリットや不動産会社の選び方などを紹介します。

専門家へ相談するメリット

空き家の売却手続きには、税金や法律、そして地域特有の事情など、幅広い知識が求められます。専門家へ相談すれば、これらの情報を一度に集められるうえ、自分に合った売却プランを提案してもらえるのが利点です。

 

無料で受け付けている相談窓口も多いので、疑問があれば早めに連絡してみると、トラブル回避にもつながるでしょう。

不動産会社の選定と査定依頼のコツ

最適な会社を選ぶには、複数の不動産会社に査定を依頼し、担当者とのやり取りを比較する方法が一般的です。その際、売却の理由や希望条件を明確に伝え、どのように査定額が算出されたか説明を受けると信頼感が増します。

 

また、高い査定額だけを鵜呑みにするのではなく、根拠や実際の成約事例を確かめることが大切です。売り出し後のサポート体制や広告戦略、契約プランなども含めて比較検討し、自分に合った会社を選びましょう。

お問い合わせ・ご相談の流れ

まずは電話やメールで不動産会社へ連絡を入れ、空き家の所在地や現状、希望する売却時期などを伝えます。その後、担当者が現地を訪問して物件をチェックし、査定額を提示してくれることが多いです。

 

提示された内容に納得できれば、媒介契約を結んで具体的な売却活動へと進みます。もし複数の業者から話を聞いている場合は、それぞれの提案を比較してどこが一番信頼できるかを慎重に見極めてください。

 

最終的に契約を決めた会社とは、媒介契約から内覧対応、契約締結、そして引き渡しまでを二人三脚で進めていくことになります。疑問点や不安な点が出てきたら、遠慮なく相談しましょう。